耳を掩いて鐘を盗む

　人が道を踏み外す瞬間を、はじめて見てしまった。まいったな。

　合宿はお疲れ様でした。私は人見知りをどうにかしようとビールをガバガバ飲んでいたら日本酒が飲めなくなったり、ナイトウィザードでキャラだけ作って満足したり、失踪した後輩探しの手伝いしたりしていたら疲れたので速攻で眠りました。寝てたらタムが押しかけてきて「何勝手に一人でたらこスパ食ってるんですか！」と乗り込んできたけど、いつものことです。
　寝るなんて折角の合宿を棒に振ってしまった感があったのですが、むしろ大変なのはそれからでした。寝てなかったら体力的に危うかった。
　アキバで遊戯王のカード見繕ったりして（欲しいカードたくさんあったけど、金がないので近いうちに錬金術でもしてとっととデッキ揃える。マジで）から、バイトで合宿に参加できなかったみけの吠え面でも拝んでやるか、となし崩し的に同期でやつの部屋を襲撃。
　サイゼで飯食ってる間は今後のサークルの展望（SF的なこともっとやらせようぜ。課題図書とか）（食卓にビールを面白いぜ）（なら俺は猫の地球儀を推すね）（それなら冲方もどうか）（ラノベじゃなくて古典も）（海外の作家はどうする）（あーだこーだ）と至極マジメな話しをしていたのですが、一冊の本がその方向性を決定的に変えた。ハチクロ風に述懐すると「その時、僕は夢にも思わなかったんだ。たった一冊の本。そんなものが、大きな変化をもたらすなんて」
　端的に言うと女装のハウツー本。
　言っておくけど私は無関係です。事件の中心にいたのは本を買ったみけと、それを焚きつけた鬼畜王だ。
　私にできたことは、除毛クリームのある場所を店員さんに尋ねたり、ストッキングやニーソを買ってきたりすることだけでした。ちなみに後者の店員に、おつりを手に叩きつけられた。
　いろいろ詳しく書こうと思ったけど思い出してたらおぞましくなってきたので、やめた。端的に言うと写真取ってから普通に桃鉄やりました。初めて勝ったけど、ほぼ無効試合だよなあ。みけ、TO LOVEるに夢中だったし。蜜柑超可愛いからしょうがないんだけど。
　始発出るまで一時間ばかり仮眠とって、即帰宅即就寝。